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☆ひかり通信☆

避難訓練の意味
2022-08-05
やったことがないことはなかなかできないもの
東日本大震災において、岩手県釜石市では1,000人以上の人が犠牲になりました。しかし、小中学生の犠牲者は5名。学校管理下では3,000人近い児童生徒が無事に避難しました。私は震災後、釜石市をはじめ岩手県のいくつかの市町を訪ね、摂津市の小中学校の防災教育の質を向上させるため、多くの人にインタビューしたことがあります。
ある中学校の校長先生からは、「釜石の奇跡とよく言われるが、そんなことは思っていません。釜石市の小中学生が5名も亡くなったのですから。何でも一生懸命やろうということと、自分の街を愛そうということを常に生徒には話してきました。」と教えていただきました。また、ある小学校の校長先生からは、「大きな災害の時に市役所の人がすぐに学校に駆けつけてくれることは難しいです。だからこそ、日頃から地域や保護者としっかりつながっておかねばなりません。」とお話しいただきました。さらに、ある大学の先生は、「やったことがないことは、いざという時になかなかできるものではありません。だからこそ、日頃からの避難訓練が必要です。その際、できる限り、具体的なイメージを持てるようにすることが大切です。」と答えていただき、避難訓練の大切さを改めて感じさせていただきました。
昨日、「不審者侵入」を想定した避難訓練を行いました。各部屋では施錠し園児を1箇所に集め、長机などを盾にして、園児を守る態勢をすぐに作るとともに、「さすまた」を持った職員が複数名、不審者のもとへ急行しました。訓練終了後には、園長、副園長を含め複数職員でふりかえりを行い、危機管理マニュアルの見直し点について協議しました。
「もしも」の時に、園児は慌てて、怖さのあまり動けなくなることもあるでしょう。だからこそ、保育者の指示を理解し、落ち着いて行動できるよう避難訓練を行います。保育者も適切な判断ができるよう、訓練を通してより最善な命を守る方法を考えられるように力量向上を図ります。
「慣れ」は、ときには「油断」につながることもあります。しかし、「慣れ」は「自信」を生むこともあります。「自信」を持つことは「広い視野」を持つことにつながり、自分の命を守ることのために最善を尽くす姿勢が生まれます。私たちは避難訓練(児童福祉施設最低基準によって、保育所は毎月行うことが義務付けられています。)を通して、いい意味での「慣れ」を園児に経験させたいと考えています。
今後も様々な訓練を予定しています。「避難用滑り台」を用いた訓練も必要ですね。
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