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☆ひかり通信☆

外へも出られなくて…
2023-04-26
激しい雨
朝からけっこう降りました。園まで送っていただいた保護者の皆様、バス停まで送っていただいた保護者の皆様、ありがとうございました。かなり濡れてしまったのではないでしょうか。私は赤門のところで、園児を迎えていたのですが、ひさしの下に立っていても、風に煽られた雨で濡れてしまいました。ですから、皆様、大変だったこととお察しします。園児たちは外へも出られなくて、空を恨めしく見上げています。風が時折強く吹くので、こいのぼりは気持ちよさそうに(?)泳いでいます。

新美南吉さんの「ごんぎつね」は誰もが知っている児童文学だと思います。それは小学校4年生の国語の教科書に掲載されているからです。ごんと兵十の心はなかなか交わることはなく、結末は悲しいものです。私は雨が続くと、ごんぎつねの「ある秋のことでした。二、三日雨が降り続いたその間、ごんは、外へも出られなくて、あなの中にしゃがんでいました。」の部分を思い出します。「外へも」の「も」がつくことで、何にもできず退屈で寂しいごんの気持ちが強調されると教えてもらったことあるからです。

こんなテスト問題もありました。さっきの続きの部分に関する問題です。「雨があがると、ごんは、ほっとしてあなからはい出ました。」問:ごんは雨があがるとどんな気持ちだったのかがわかることばを文章の中から探して5文字で答えましょう。(答え:ほっとして)問:雨があがると、ごんがほっとしたのはなぜですか。(答えの例:外へ出られなかったから)

このような問題で、「ごんの気持ちはごんにしかわからない」と答えた児童がいました。学校現場であった本当の話です。「考えましょう」と問いかけているのですから、この答えにまるをつけることはもちろんできません。しかし、授業者の授業がよくないのです。ごんにしかわからないからこそ、いろいろ考えるのです。読解の楽しさを十分味わわせることができていなかったという反省があります。

園児たちがごんぎつねに国語の時間で出会うまでには、まだまだ時間はあります。目には見えない人の気持ちをいろいろ考える経験をたくさんさせたいですね。そこから、いろいろな心が芽生えるのではないでしょうか。その心が育っていく過程のことを成長と呼ぶのだと思います。
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